靴・鞄などの修理のあれこれ

革製品を修理した内容を載せています。ご質問などあればお気軽にどうぞ。

ウェスタンブーツ トップリフト交換

今回の投稿は少しマニアックになりますが、ウェスタンブーツをお預かりしました。

 

古着屋で購入され、踵のゴムが劣化していたので修理に来られました。

 

f:id:arika_repair:20210223000629j:image

上の写真は、ゴムを貼る前に、一度削って調整したものですが、これは接着する上で中々苦戦する素材になります。

 

この素材はTR樹脂といって、接着剤を塗る前に下処理が必要なのですが、下処理をしても中々付きが悪かったりするので、修理屋泣かせな素材です。

 

個人的な話になりますが、自分がこの仕事を始めた時に古着屋で購入したFlorsheimもまさにこの素材が使われており、初見だったので修理するのにかなり手こずった思い出があります。

 

メーカーによってTR樹脂の配合が異なり、下処理剤が各メーカーのTR樹脂を網羅できていない様で、接着剤の付きが良かったり、悪かったりまちまちなので、正直付けてみないとなんとも言えないです。

 

仕上がりがこちら。

f:id:arika_repair:20210223000543j:image


f:id:arika_repair:20210223000546j:image

 

今回のは、割としっかり接着出来た方ですが、簡単に剥がれない様に念の為40mm弱の釘でガッチリ固定しています。

 

この素材が使われている靴を修理する方法として挙げられるのが、まず1つは接着が少しでも甘い様であればなるべく釘で固定をして外れにくくする。

2つ目に、その素材の部分をレザーやスポンジなど部分的に違う素材に交換して、踵のゴムを交換する、の2つになります。ただ、違う素材に交換する場合、追加の料金がかかってきたり、雰囲気が元と多少変わったりします。

 

接着剤がしっかりついて、釘で固定出来ればもちろんベストですが、そうもいかない場合もあるので、こういった素材に関しては、一度お預かりさせて頂けると幸いです。

 

全然話は変わりますが、インスタでよくtexas traditions bootsさんの投稿を見るのですが、作られているウェスタンブーツが本当に格好良くて欲しくなります。

作り方も凄い参考になるのでいつも勉強させてもらってます。

 

ウェスタンブーツをもっと見てみたい今日この頃です。

 

在処

 

 

Instagramこちらから

 

Youtubeこちらから